【上級 問題1】工作物石綿事前調査者とは?
2026年1月1日以降、一部の工作物の事前調査に必要な資格は?
A. 建築物石綿含有建材調査者
B. 工作物石綿事前調査者
C. 石綿作業主任者
D. 特に資格は不要
正解:B. 工作物石綿事前調査者
2026年1月1日以降は、煙突や反応槽などの特定の工作物の事前調査には「工作物石綿事前調査者」の資格が必要になります!建築物とは別の資格なんです。工作物は建築物とは構造が違うので、専門知識が必要ということですね。資格がどんどん細分化されています...
【上級 問題2】アスベスト含有仕上塗材は?
外壁などに使われる「石綿含有仕上塗材」はどのレベル?
A. レベル1
B. レベル2
C. レベル3
D. 分類対象外
正解:C. レベル3
石綿含有仕上塗材(吹付けタイル、リシン、スタッコなど)はレベル3に分類されます。外壁に塗られているので気づきにくいんですが、研磨や削り取りをするとアスベストが飛散します。「塗材」だからって油断できません!しかも使用量が非常に多いんです。
⚠️ 落とし穴:外壁の塗り替え工事でも、下地に石綿含有仕上塗材があれば事前調査が必要です!
【上級 問題3】事前調査の省略可能なケースは?
事前調査を省略できるケースとして正しくないものは?
A. 2006年9月1日以降に着工したことが設計図書で明らかな建物
B. 木材、金属、石、ガラスのみで構成されている部分
C. 建物の所有者が「アスベストはない」と証言した場合
D. 解体する部分が明らかにアスベストを含まない材料のみの場合
正解:C. 建物の所有者が「アスベストはない」と証言した場合
所有者の証言だけでは省略できません!客観的な証拠(設計図書や材料の性質)が必要です。「オーナーがないって言ってたから調査しませんでした」は通用しません。必ず書面や物理的な証拠で確認する必要があります。口約束はダメ!
【上級 問題4】報告対象となる工事規模は?
事前調査結果の報告が必要な工事規模(解体工事)は?
A. 床面積の合計10㎡以上
B. 床面積の合計50㎡以上
C. 床面積の合計80㎡以上
D. すべての工事
正解:C. 床面積の合計80㎡以上
解体工事の場合、床面積の合計が80㎡以上の建築物等が報告対象です(改修工事は請負金額100万円以上)。80㎡未満でも事前調査自体は必要ですが、報告義務はありません。この規模の線引き、覚えておきましょう!
📊 報告が必要な工事規模
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解体工事: 床面積 80㎡以上
改修工事: 請負金額 100万円以上
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※規模未満でも事前調査は必須!
【上級 問題5】石綿則と大気汚染防止法の違いは?
石綿障害予防規則(石綿則)と大気汚染防止法の主な保護対象の違いは?
A. 石綿則は労働者、大気汚染防止法は周辺住民
B. 石綿則は周辺住民、大気汚染防止法は労働者
C. どちらも労働者のみ
D. どちらも周辺住民のみ
正解:A. 石綿則は労働者、大気汚染防止法は周辺住民
石綿障害予防規則(石綿則)は作業員の安全を守る法律(労働安全衛生法の一部)で、大気汚染防止法は周辺環境・住民を守る法律です。目的が違うので、両方を遵守する必要があります。「労働者を守るのが石綿則、住民を守るのが大防法」と覚えましょう!
【上級 問題6】封じ込めと囲い込みの違いは?
アスベストの「封じ込め」と「囲い込み」の違いとして正しいのは?
A. 封じ込めは薬剤で固定、囲い込みは板材で覆う
B. 封じ込めは板材で覆う、囲い込みは薬剤で固定
C. どちらも同じ意味
D. どちらも除去する方法
正解:A. 封じ込めは薬剤で固定、囲い込みは板材で覆う
「封じ込め」は、アスベストに薬剤を吹き付けて固定し、飛散を防ぐ方法。「囲い込み」は、板材などでアスベストを完全に覆ってしまう方法です。どちらも「除去」ではなく、アスベストをそのまま残す方法なので、定期的な点検が必要です。完全に除去するよりコストは安いですが、管理が必要なのが注意点!
【上級 問題7】負圧除じん装置の集じん効率は?
レベル1の隔離工法で使用する集じん装置に求められる集じん効率は?
A. 90%以上
B. 95%以上
C. 99.9%以上(HEPAフィルター)
D. 特に規定なし
正解:C. 99.9%以上(HEPAフィルター)
レベル1の作業では、粒子捕集効率99.9%以上のHEPAフィルター(高性能エアフィルター)を備えた集じん装置が必要です。99.9%って、ほぼ完璧ですよね!でもアスベストはそれくらい徹底しないとダメなんです。ちなみに、除去作業終了後も24時間は集じん装置を稼働させ続けます。
【上級 問題8】みなし含有とは?
「みなし含有」の取り扱いとして正しいのは?
A. 分析でアスベストが検出されなくても含有とみなす
B. 分析結果が不明な場合、含有しているとみなして対策する
C. すべての建材をアスベスト含有とみなす
D. アスベストが含まれていないとみなす
正解:B. 分析結果が不明な場合、含有しているとみなして対策する
「みなし含有」とは、分析結果が不明な場合や、書面・目視で含有の有無が判断できない場合に、「含有している」とみなして対策を行うことです。安全側に倒す考え方ですね。「わからないから調べない」ではなく、「わからないから最高レベルの対策をする」が正解!
【上級 問題9】成形板の手ばらし除去とは?
レベル3の成形板を除去する際の「手ばらし」の原則は?
A. 機械で一気に破砕する
B. 原形のまま丁寧に取り外す
C. 燃やして処理する
D. 粉砕してから袋詰めする
正解:B. 原形のまま丁寧に取り外す
「手ばらし」とは、成形板を破砕せずに原形のまま丁寧に取り外すことです。破砕すると一気にアスベストが飛散するので、湿潤化しながら1枚1枚慎重に外します。投下したり、重機で引っ張ったりするのは絶対NG!地味で時間がかかる作業ですが、これが一番安全なんです。
【上級 問題10】労災認定の基準は?
石綿による健康被害で労災認定を受けるための曝露歴の基準は?
A. 1日以上の曝露
B. 1年以上の曝露
C. 疾病によって異なる(肺がんは10年以上など)
D. 曝露歴は問われない
正解:C. 疾病によって異なる(肺がんは10年以上など)
労災認定基準は疾病によって異なります。例えば、石綿肺は1年以上、肺がんは10年以上の曝露歴が基準の一つです。ただし、中皮腫は極めて低濃度・短期間の曝露でも発症する可能性があるため、曝露歴が短くても認定されることがあります。「たった1日の作業」でも、将来発症するリスクがあるんです!
【上級 問題11】石綿健康被害救済法とは?
2006年に制定された「石綿による健康被害の救済に関する法律」の主な対象は?
A. 労災保険の対象となる労働者のみ
B. 労災保険の対象外の周辺住民や家族など
C. 企業の経営者のみ
D. 外国人労働者のみ
正解:B. 労災保険の対象外の周辺住民や家族など
この法律は、労災保険の対象とならない、工場周辺住民や労働者の家族(二次曝露)などを救済するために作られました。クボタショックで周辺住民の被害が明らかになり、急遽制定されたんです。労働者は労災保険、それ以外の人は救済法で対応するという二本立てになっています。
【上級 問題12】建材メーカーの責任は?
2021年の最高裁判決で、建材メーカーの損害賠償責任が認められた理由は?
A. 警告表示義務違反
B. 製造物責任法違反
C. 独占禁止法違反
D. 責任は認められていない
正解:A. 警告表示義務違反
2021年5月の最高裁判決で、建材メーカーは「アスベストの危険性を適切に警告しなかった」として損害賠償責任を認められました。つまり、「危ないものを売るなら、ちゃんと警告しろ」ということです。この判決は画期的で、多くの被害者救済につながっています。
【上級 問題13】国の責任は?
アスベスト訴訟における国の責任について、裁判所が認めた主な理由は?
A. 規制が遅すぎた(規制権限不行使)
B. アスベストの輸入を推奨した
C. 国の責任は一切認められていない
D. 企業に補助金を出した
正解:A. 規制が遅すぎた(規制権限不行使)
複数の訴訟で、国は「危険性を知りながら適切な時期に規制しなかった」として責任を認められています。特に、1975年の吹き付け禁止以降も、他の建材の規制が遅れたことが問題視されました。「もっと早く規制していれば、多くの命が救えた」という判断です。痛烈な批判ですよね...
【上級 問題14】アスベスト含有建材データベースとは?
「石綿(アスベスト)含有建材データベース」の運営団体は?
A. 厚生労働省
B. 環境省
C. 国土交通省と経済産業省
D. 建材試験センター
正解:C. 国土交通省と経済産業省
石綿含有建材データベースは、国土交通省と経済産業省が連携して運営しています(運用は国土技術政策総合研究所)。過去に製造された建材のアスベスト含有情報が検索できる超便利なデータベースです!建材の商品名や製造時期、メーカーから検索できるので、事前調査の強い味方。建材メーカーが過去に製造した石綿含有建材の種類、名称、製造時期、石綿の種類・含有率などが登録されています。これを知らないと損しますよ!
💡 プロのワザ:事前調査では必ずこのデータベースをチェック!商品名がわかれば、分析せずに含有の有無が判定できる場合があります。
【上級 問題15】船舶のアスベスト規制は?
船舶におけるアスベスト規制について正しいのは?
A. 船舶は規制対象外
B. 建築物と同様に規制されている
C. 船舶独自の規制とマニュアルがある
D. 外国船籍は規制対象外
正解:C. 船舶独自の規制とマニュアルがある
船舶にも大量のアスベストが使われていたため、「船舶における適正なアスベストの取扱いに関するマニュアル」という専用のマニュアルがあります。船は建築物とは構造が違うので、独自の対応が必要なんです。解体(スクラップ)する際も特別な手順が必要です。
【上級 問題16】災害時のアスベスト対策は?
地震などの災害で建物が倒壊した際のアスベスト対策として正しいのは?
A. 緊急事態なので規制は適用されない
B. 散水などで飛散を防ぎながら作業する
C. すべての作業を中止する
D. 焼却処分する
正解:B. 散水などで飛散を防ぎながら作業する
災害時でもアスベスト対策は必要です!環境省の「災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアル」では、散水による湿潤化、防じんマスクの着用、飛散防止シートの使用などが推奨されています。阪神淡路大震災や東日本大震災でも、がれき処理時のアスベスト飛散が問題になりました。人命救助が最優先ですが、作業員の安全も守らないと!
【上級 問題17】輸入品のアスベスト対策は?
2021年12月施行の石綿則改正で、珪藻土バスマットなどの輸入品に追加された規制は?
A. 輸入が完全禁止された
B. 資格者による分析結果報告書の入手義務
C. 特に規制は追加されていない
D. 輸入税が課せられる
正解:B. 資格者による分析結果報告書の入手義務
珪藻土バスマットなどからアスベストが検出された問題を受けて、輸入する際には厚生労働大臣が定める資格者が作成した分析結果報告書を入手し、アスベストが含有していないことを確認する義務が追加されました。「日本は禁止してるから大丈夫」じゃない。輸入品には要注意!
【上級 問題18】アスベスト飛散防止のための養生は?
レベル3の成形板除去作業で必要な養生の高さは?
A. 地上1m程度
B. 地上2m程度
C. 建築物の高さ以上
D. 養生は不要
正解:C. 建築物の高さ以上
レベル3でも、建築物の高さ以上の防じんシート養生が必要です!これ、意外と知られていないんですが、大気汚染防止法で定められています。「レベル3だから軽い対策でいい」と思ったら大間違い。しっかり養生しないと、風で飛散したアスベストが周辺に拡散してしまいます。
【上級 問題19】罰則の内容は?
事前調査結果の報告を怠った場合の罰則は?
A. 罰則はない(努力義務)
B. 30万円以下の罰金
C. 3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
D. 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
正解:B. 30万円以下の罰金
事前調査結果の報告義務違反は、30万円以下の罰金が科せられます。また、虚偽の報告をした場合も同様です。「バレなきゃいい」じゃダメ!きちんと調査・報告しましょう。ちなみに、もっと悪質な違反(作業基準違反など)には、もっと重い罰則があります。
【上級 問題20】これからのアスベスト問題は?
今後10~20年で予想される「アスベスト問題の第二波」の主な原因は?
A. アスベストの使用が再開される
B. 1970~1990年代に建てられた建物の解体ラッシュ
C. 新しい種類のアスベストが発見される
D. もう問題は終わった
正解:B. 1970~1990年代に建てられた建物の解体ラッシュ
これからが本当の勝負です!1970~1990年代はアスベスト使用のピーク期。これらの建物の耐用年数が尽きて、2030年代にかけて大量の解体工事が予想されています。つまり、「アスベスト問題は過去の話」じゃなくて、「これからが本番」なんです!しかも、当時曝露した人が発症する時期とも重なります。だからこそ、今、適切な対策が求められているんです!
🚨 最重要ポイント:アスベスト問題は「これから」の問題!適切な知識と対策で、第二、第三の被害を防ぎましょう!
📈 アスベスト問題の今後
過去 現在 未来
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使用期 解体期 健康被害期
(~2006) (2020~) (2030~)
↑
今ココ!
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これから解体ラッシュ&発症ピーク
適切な対策が超重要!
【上級 問題21】アスベスト全面禁止の歴史(穴埋め)
日本におけるアスベスト規制の主要な年代を答えよ。
正解:1. 1975年、2. 1995年、3. 2012年
1975年:吹付けアスベストの使用を原則禁止(特定化学物質障害予防規則)
1995年:アモサイト(茶石綿)・クロシドライト(青石綿)の製造等を禁止
2012年:0.1%を超える全てのアスベスト含有製品の製造等を全面禁止
【上級 問題22】レベル1除去作業の工程順序(並び替え)
レベル1(吹付けアスベスト)の除去作業の正しい工程順序を答えよ。
以下の工程を正しい順番に並び替えなさい:
A. 除去作業の実施
B. 事前調査・計画
C. 湿式清掃
D. 隔離養生・負圧設備の設置
E. 除去物の梱包
F. 漏えい監視測定
G. 隔離解除
正しい順序:
正解:B→D→A→E→C→F→G
正しい工程順序:
B. 事前調査・計画 → D. 隔離養生・負圧設備の設置 → A. 除去作業の実施 → E. 除去物の梱包 → C. 湿式清掃 → F. 漏えい監視測定 → G. 隔離解除
この順序を守ることが飛散防止の鍵です!
【上級 問題23】建設アスベスト訴訟の最高裁判決年は?
建設アスベスト訴訟で、最高裁が国と建材メーカーの責任を認めた判決が出た年は?
A. 2014年
B. 2018年
C. 2021年
D. 2023年
正解:C. 2021年
2021年5月17日、最高裁は建設アスベスト訴訟で国と建材メーカーの責任を認める判決を下しました。国は規制権限を適切に行使しなかった責任、建材メーカーは警告表示義務を怠った責任があるとされました。
【上級 問題24】クボタショックの詳細(穴埋め)
2005年のクボタショックに関する情報を答えよ。
正解:1. 尼崎市、2. 中皮腫、3. 周辺住民
2005年6月、クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の従業員や周辺住民が中皮腫を発症していたことが公表されました。環境ばく露による健康被害が社会問題化し、石綿健康被害救済法の制定につながりました。
【上級 問題25】石綿健康被害救済法の救済給付額は?
石綿健康被害救済法に基づく医療費の自己負担分の取り扱いは?
A. 全額給付される
B. 半額給付される
C. 給付されない
D. 所得に応じて給付額が変わる
正解:A. 全額給付される
石綿健康被害救済法に基づき認定された場合、医療費の自己負担分は全額給付されます。また、療養手当(月額約10万円程度)、葬祭料(約20万円)なども支給されます。実施機関は独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)です。
【上級 問題26】アスロックの正式名称は?
「アスロック」という商品名の建材の正式名称は?
A. 吹付けロックウール
B. 押出成形セメント板
C. けい酸カルシウム板
D. スレート波板
正解:B. 押出成形セメント板
「アスロック」は押出成形セメント板の商品名で、レベル3に分類されます。ノザワ(旧:野沢石綿セメント)などが製造していました。「アスロック」という名称から吹付けアスベストやロックウールと誤解されることがありますが、実際は成形板です。
【上級 問題27】Pタイルの「P」の意味は?
ビニル床タイルの通称「Pタイル」の「P」が表すものは?
A. Plastic(プラスチック)
B. Plate(板)
C. Pavement(舗装)
D. Protection(保護)
正解:A. Plastic(プラスチック)
「Pタイル」の「P」はPlastic(プラスチック)の頭文字です。正式名称は「プラスチック系床タイル」または「ビニル床タイル」で、1950年代から2004年まで製造されていました。学校や病院などで広く使用されました。
【上級 問題28】主要アスベスト建材の製造時期(穴埋め)
以下のアスベスト含有建材の製造終了時期を答えよ。
正解:1. 1975年、2. 2004年、3. 2004年
吹付けアスベスト:1975年の規制で使用原則禁止
スレート波板・ビニル床タイル:2004年の石綿含有建材原則禁止まで製造継続
これらの建材は今でも多くの建物に残っています。
【上級 問題29】偏光顕微鏡で使用する浸液の目的は?
偏光顕微鏡によるアスベスト分析で浸液を使用する主な目的は?
A. 試料を染色するため
B. 繊維の屈折率を測定するため
C. 試料を溶解するため
D. 試料を固定するため
正解:B. 繊維の屈折率を測定するため
偏光顕微鏡では、既知の屈折率を持つ浸液を使用して、繊維の屈折率を測定します。屈折率はアスベストの種類によって異なるため(クリソタイル:1.550、アモサイト:1.680など)、同定の重要な指標となります。ベッケ線法などで判定します。
【上級 問題30】日本酒の濾過とアスベストの関係は?
1990年代頃まで、一部の日本酒(清酒)の製造工程でアスベストが使われていた用途は?
A. 発酵タンクの断熱材
B. 濾過フィルター
C. 貯蔵庫の天井材
D. 瓶詰め機の部品
正解:B. 濾過フィルター
1990年代頃まで、一部の日本酒製造でアスベストを含む濾過フィルターが使用されていました。清澄化のために使われていましたが、健康への懸念から使用が中止されました。現在は珪藻土などの代替材料が使用されています。
【上級 問題31】石綿含有成形板の除去で禁止されている作業は?
石綿含有成形板(レベル3)の除去作業で原則禁止されている行為は?
A. 湿潤化
B. 切断・破砕
C. 手作業での取り外し
D. 梱包
正解:B. 切断・破砕
レベル3の成形板は切断・破砕を原則禁止されています。原形のまま取り外し、湿潤化して慎重に除去する必要があります。やむを得ず切断する場合は、事前に隔離養生などの飛散防止措置が必要です。
【上級 問題32】けい酸カルシウム板第1種と第2種の違いは?
けい酸カルシウム板第1種と第2種の主な違いは?
A. 密度(かさ密度)の違い
B. アスベスト含有率の違い
C. 製造時期の違い
D. 色の違い
正解:A. 密度(かさ密度)の違い
けい酸カルシウム板は密度で区分されます。第1種:0.5g/cm³未満(軽くて発じん性が高い、隔離養生必要)、第2種:0.5g/cm³以上(重くて発じん性が比較的低い、原則隔離不要)。現場での判断ミスが多いポイントです。
【上級 問題33】電動ファン付き呼吸用保護具の区分は?
電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)の性能区分として正しいのは?
A. A級とB級
B. S級とA級
C. 1級と2級
D. 高性能と標準
正解:B. S級とA級
電動ファン付き呼吸用保護具はS級とA級に区分されます。S級:漏れ率0.1%以下(高性能)、A級:漏れ率1.0%以下(標準)。レベル1・2作業ではS級またはA級の使用が推奨されます。
【上級 問題34】6種類のアスベストの色(穴埋め)
アスベスト6種類の別名(色)を答えよ。
正解:1. 白石綿、2. 青石綿、3. 茶石綿
アスベスト6種類のうち主要3種:
クリソタイル:白石綿(最も多く使用)
クロシドライト:青石綿(発がん性が特に高い)
アモサイト:茶石綿(保温材に使用)
残り3種(トレモライト、アクチノライト、アンソフィライト)は使用量が少ない
【上級 問題35】石綿含有吹付けロックウールの使用時期は?
石綿含有吹付けロックウールが使用されていた時期として正しいのは?
A. 1950年代~1970年代
B. 1960年代~1980年代
C. 1980年代~2000年代
D. 特定の時期はない
正解:B. 1960年代~1980年代
石綿含有吹付けロックウールは1963年頃~1987年頃まで使用されました。1975年に吹付けアスベストが原則禁止された後、代替品として使用されましたが、これにもアスベストが含まれていました。レベル1に分類されます。
【上級 問題36】グローブバッグ工法の適用範囲は?
グローブバッグ工法が適用できる石綿含有保温材の除去範囲は?
A. 制限なし
B. 面積1m²以下かつ長さ1m以下
C. 面積5m²以下
D. 長さ3m以下
正解:B. 面積1m²以下かつ長さ1m以下
グローブバッグ工法は、面積1m²以下かつ長さ1m以下の小規模な保温材除去に適用できます。配管の一部など、限定的な範囲の除去に使用します。範囲を超える場合は通常の隔離養生が必要です。
【上級 問題37】石綿飛散防止剤の種類は?
石綿除去作業で使用する飛散防止剤の主な種類は?
A. 浸透性のみ
B. 造膜性のみ
C. 浸透性と造膜性の2種類
D. 特に種類はない
正解:C. 浸透性と造膜性の2種類
飛散防止剤には2種類あります。浸透性固化剤:材料内部に浸透して固化、造膜剤:表面に膜を形成して飛散防止。用途や状況に応じて使い分けます。封じ込め工法や囲い込み工法でも使用されます。
【上級 問題38】悪性中皮腫の潜伏期間は?
悪性中皮腫の一般的な潜伏期間として最も適切なのは?
A. 5~10年
B. 10~20年
C. 20~30年
D. 30~50年
正解:D. 30~50年
悪性中皮腫の潜伏期間は30~50年と非常に長いのが特徴です。アスベストに1回だけ短期間ばく露した場合でも発症する可能性があります。2030年代に死亡者数がピークを迎えると予測されています。
【上級 問題39】石綿肺の合併症として注意すべきは?
石綿肺の合併症として特に注意が必要なのは?
A. 結核
B. インフルエンザ
C. 花粉症
D. 熱中症
正解:A. 結核
石綿肺の合併症として結核が重要です。肺の線維化により免疫力が低下し、結核に感染しやすくなります。また、肺がんや気管支炎も合併しやすいため、定期的な健康診断が重要です。
【上級 問題40】防じんマスクの区分と捕集効率(穴埋め)
取替え式防じんマスクの各区分の粒子捕集効率を答えよ。
正解:1. 80%、2. 95%、3. 99.9%
取替え式防じんマスクの粒子捕集効率:
RS1/RL1:80.0%以上
RS2/RL2:95.0%以上
RS3/RL3:99.9%以上
レベル1・2作業ではRS3またはRL3を使用します
【上級 問題41】廃石綿等の最終処分方法は?
廃石綿等の最終処分として正しいのは?
A. 焼却処分
B. 管理型最終処分場への埋立
C. 海洋投棄
D. 一般ゴミとして処分
正解:B. 管理型最終処分場への埋立
廃石綿等は管理型最終処分場に埋め立てます。一定の場所に分散しないように埋立て、埋立後は覆土します。高温溶融処理(1500℃以上)で無害化する方法もありますが、コストが高いため一般的ではありません。
【上級 問題42】平賀源内とアスベストの関係は?
江戸時代の平賀源内がアスベストで作ったとされるものは?
A. 火浣布(燃えない布)
B. 陶器
C. 建築材料
D. 薬品
正解:A. 火浣布(燃えない布)
平賀源内は1764年(明和元年)に秩父の石綿を用いて火浣布(かかんぷ)という燃えない布を作りました。これが日本におけるアスベスト利用の最古の記録とされています。
【上級 問題43】呼吸用保護具のフィットテストの頻度は?
呼吸用保護具のフィットテストを実施する推奨頻度は?
A. 毎月
B. 3ヶ月ごと
C. 6ヶ月ごと
D. 年1回以上
正解:D. 年1回以上
フィットテストは年1回以上実施することが推奨されています。マスクと顔の密着性を確認し、適切な保護性能が得られているか確認します。体重変化や顔の形状変化があった場合は、その都度実施すべきです。
【上級 問題44】隔離養生シートの厚さ基準は?
レベル1・2作業の隔離養生に使用するプラスチックシートの厚さ基準は?
A. 0.05mm以上
B. 0.10mm以上
C. 0.15mm以上
D. 0.30mm以上
正解:C. 0.15mm以上
隔離養生に使用するプラスチックシートは厚さ0.15mm以上が必要です。破れにくく、十分な強度を持つシートを使用します。養生は二重に設置することが推奨されます。
【上級 問題45】石綿作業主任者の職務(穴埋め)
石綿作業主任者の主要な職務を答えよ。
正解:1. 指揮、2. 保護具、3. 点検
石綿作業主任者の職務:
1. 作業の指揮
2. 保護具の使用状況を監視
3. 作業場所の点検
その他、労働者の健康管理や作業方法の改善なども職務に含まれます
【上級 問題46】石綿含有建材データベースの運営者は?
石綿(アスベスト)含有建材データベースの運営団体は?
A. 厚生労働省
B. 環境省
C. 国土交通省と経済産業省
D. 建材試験センター
正解:C. 国土交通省と経済産業省
石綿含有建材データベースは、国土交通省と経済産業省が連携して運営しています(運用は国土技術政策総合研究所)。建材の商品名や製造時期、メーカーから検索でき、事前調査の強い味方です。
【上級 問題47】建築基準法の増改築制限は?
吹付けアスベストが使用されている建築物の増改築について、建築基準法での制限は?
A. 制限なし
B. 除去・封じ込め・囲い込みのいずれかが必要
C. 必ず全て除去が必要
D. 届出のみで可能
正解:B. 除去・封じ込め・囲い込みのいずれかが必要
建築基準法により、吹付けアスベストが使用されている建築物を増改築する場合、除去、封じ込め、囲い込みのいずれかの措置が必要です。ただし、増改築面積が小規模な場合は一部例外があります。
【上級 問題48】スレートボードとフレキシブル板の違いは?
石綿含有スレートボードと石綿含有フレキシブル板の主な違いは?
A. 色の違い
B. 曲げ強度の違い(フレキは柔軟性がある)
C. アスベスト含有率の違い
D. レベル分類の違い
正解:B. 曲げ強度の違い(フレキは柔軟性がある)
スレートボード:硬くて曲がらない(厚さ6~12mm程度)
フレキシブル板:柔軟性があり曲面に施工可能(厚さ4~6mm程度)
どちらもレベル3に分類され、主に内装材として使用されました。
【上級 問題49】石綿作業従事者証明書の交付義務者は?
石綿作業に従事した労働者に対する「石綿作業従事者証明書」を交付する義務があるのは?
A. 事業者
B. 労働者本人
C. 労働基準監督署
D. 医療機関
正解:A. 事業者
石綿作業に従事した労働者が離職する際、事業者は「石綿作業従事者証明書」を交付する義務があります。これにより、労働者は将来的に健康診断や労災認定を受けやすくなります。
【上級 問題50】事前調査の実施時期と報告基準(穴埋め・最終問題)
事前調査と報告に関する重要事項を答えよ。
正解:1. 14日前、2. 80m²、3. 100万円
事前調査:工事開始の14日前までに実施
報告対象(解体):延べ床面積80m²以上
報告対象(改修):請負金額100万円以上
報告は「石綿事前調査結果報告システム」で電子申請します。
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