有限会社 野崎重機建設興業

「トレモライト」検出!?

皆さんお久しぶりです。
北海道では降雪のニュースなどがありまして、そろそろタイヤ交換をって方も
多いのではないのでしょうか。

ブログの更新をしていない間に、ポリタンクの灯油缶を持ち上げて『ギックリ腰』になりました。
老化が隠せない年齢になった私ですが、何とかやっております。

さて今回のお話になりますが、「アスベスト」にはいくつか種類があります。
蛇紋石系のクリソタイル(白石綿)
角閃石系のアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)の他に
アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトを含めた6種類があります。

実は平成17年まで「特定化学物質障害予防規則」(特化則)ではアスベストの定義は以下の3種類
クリソタイル、アモサイト、クロシドライトだけだったんです!
平成18年からは、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトの新3種を含めた6種類になっています。

ではなぜ新たに三種のアスベストが規制対象になったのでしょうか!?
アスベスト関連の教材や資料を探していると、新三種のアスベストは「建築材料にはほとんど
使用されていない」と記述されている事があります。
本当にそうだったのでしょうか・・・
実は過去にこんな問題があり世間を騒がせたことがあります。
環境新聞2007年2月21日号1面記事「アスベスト問題の波紋」
なんと国内では使用されていないと言われていた「トレモライト」が、東京都内の保育園の解体工事
にあたり採取したボイラー室天井の配管から「トレモライト単体で60重量%含有」との結果が出たのです!!!!
この記事によると、分析機関は米国の分析機関だったようで、当時の国内の分析機関では見つけられるかどうか
疑問だとありました。

実は弊社、四318LABOに持ち込まれる建材からも、全体の1割くらいはトレモライトが検出されます。
先日とても貴重な建材試料がありました。
農家さんの畑へ営農用水を送るための貯水槽の表面防水モルタルから「トレモライト」が検出されました!
貯水槽内部
構造物はコンクリート、その表面を防水モルタルにて左官加工されていました。
左側が貯水槽内部、右側がサンプリング状況です。
厚みが20mmの防水モルタル処理がされていました。
一見して、こんな所にアスベストなんて使用するの?って思うかもしれませんが、昭和50年代頃の
このような構造物には、モルタル混和材にアスベストが多く使用されていました。
ですが当時は種類としては「クリソタイル」が多く世に出回っていたので、トレモライトが検出
されたことについては、当時の業者さんのお話を聞かなければ理由は分からないですが非常にレアな
使用建材です。
以下の資料は定量分析を行った際のデータです。


当時は現場でモルタル材に直接アスベストの粉末などを混ぜて使用していたと左官屋さんから聞いたこともあります。
いや~これはホントに驚くことなんですよ!!
国の公的機関すら把握していない内容が、実際の分析結果から確認できるなんて、分析屋冥利につきることです。

四318LABOで、過去に規制前のアスベスト事前調査を行った建材から、クリソタイル、アモサイト、クロシドライト
の検出が無かった建材からもトレモライトを分析して発見したこともあります。
当時アスベスト事前調査を行った業者が悪いわけではないのですが、過去の調査結果をもってして「アスベスト非含有」
と結果づけるのは、とても危険ですね。

事前調査の書面調査時にも、過去の分析結果が平成18年以前の物なのかを確認することが大切です。
分析機関の中では、はじめからクリソタイル、アモサイト、クロシドライトしか調べないところもあるようです。
アスベスト分析の際には、しっかりと6種類のアスベストを調べてもらえる分析機関を選定することをオススメします。

弊社で提出する報告書には、過去に韓国からトレモライトの輸入を行っていたことが分かる資料も添付しています。
興味のある方はご連絡ください。
そこまで資料を求めるマニアックな人がいるのかは分かりませんが(笑)

一段と冷え込んできました。
今年も流行り風邪が流行している傾向みたいですので、暖かい服装でお出かけしてください。
外で働く皆さん、寒い中今日も一日お疲れ様です。
屋内で働く人も今日も一日お疲れ様です。
明日からも頑張っって働きましょう。

身体を暖めても、心が冷めている方達へ
そんな時は・・・・

したっけねー