有限会社 野崎重機建設興業

「プラスター」にもアスベスト!? プラスターボードだけじゃない、左官材料の落とし穴

皆さんこんにちは!(記事書いてるのは夜中ですが)
ついに帯広でも積雪5センチ以上になっちゃいましたね!!
あちらこちらで朝からツルツル路面で事故が多発してました。
皆さんも安全運転で。

今回は建築現場でよく使われる「プラスター」について、ちょっとびっくりするお話をさせてください。

先日、現場調査をしていた時に、ある建設会社の方から質問を受けました。
「プラスターボードはアスベスト含有について石膏ボード工業会から発表されてるって聞いたんですけど、
現場で左官さんが塗ってる『プラスター塗』はどうなんですか?」

うーん、これは良い質問です!!
実は私も最初「プラスター塗は大丈夫でしょ」って思ってたんですが、調べてみたらこれがびっくり仰天!!!

プラスターボードと石膏ボードは同じもの

まず基本的なところから整理しましょう。

「プラスターボード」=「石膏ボード」です。
呼び方が違うだけで、同じものなんですね。

一般社団法人 石膏ボード工業会のホームページでは、アスベスト含有製品についての情報がしっかり公開されています。
石膏ボード製品でアスベストが含有されていたのは1970年(昭和45年)から1986年(昭和61年)までに製造された一部の特殊製品で、
全体の1%弱程度と推定されています。
https://www.gypsumboard-a.or.jp/safety/asbestos.html

これはもう皆さんご存知の情報ですよね。

じゃあ、左官工法の「プラスター塗」は?

ここからが本題です!!

建築現場では、ボード材とは別に、左官職人さんが現場で塗り付ける「プラスター塗」というものがあります。

主な種類としては:

  • 石膏プラスター (焼石膏を主原料)
  • ドロマイトプラスター (苦灰石を原料)
  • 石灰プラスター (漆喰)

これらは現地で水と混ぜて、左官鏝で塗り付けて仕上げる材料なんですが・・・

「じゃあ、これらの左官材料にアスベストは入ってないの?」

実はここが盲点だったんです!!!

仕上塗材にアスベストが含まれていた事実

日本建築仕上材工業会のホームページを見ると、こう書いてあります:

「現在、日本建築仕上材工業会の会員会社で製造・販売されている仕上塗材や下地調整塗材には、
アスベスト(石綿)は全く使用されておりません。しかし、過去の製品にはアスベストが使用されていたこともあります」

つまり、過去の仕上塗材や下地調整塗材にはアスベストが含有されていたということです!!

具体的には:

  • リシン
  • スタッコ
  • 吹付けタイル
  • じゅらく塗
    などの仕上塗材に、ひび割れ防止やダレ防止のためにアスベストが添加されていたケースがあります。

さらに!!

モルタル混和材の問題

左官職人さんが日常的に使用する**「モルタル混和材」**にもアスベストが含まれていました!

有名なのが「テーリング」という製品で、なんと石綿含有率約45%、中には「石綿100%」と表示された製品もあったんです!!!

これは2004年頃まで製造・販売されていたというから驚きです。

プラスター塗自体はどうなのか?

ここで重要なポイントです。

石膏プラスターやドロマイトプラスター、石灰プラスター自体にアスベストが含有されていたという明確な情報は、
現時点で私が調べた限りでは見つかりませんでした。

ただし!!

「含有されていない」と断言できるわけでもありません。

なぜなら:

  1. 上記の製品は「素材」そのものなので、メーカーや製造時期によって配合が異なる可能性がある
  2. 仕上塗材や下地調整材にアスベストが使用されていた以上、プラスター類も無関係とは言い切れない
  3. 情報が完全に公開されているわけではない

現場で注意すべきポイント

和室の壁仕上げなどで使われる「じゅらく塗」は特に注意が必要です!

また、プラスター塗と石膏ボードの間にある珪藻土にアスベストが含有しているケースも報告されています。

調査はどうすればいい?

正直なところ、目視だけでアスベスト含有を判断するのは不可能です。

確実な方法は分析調査しかありません。

特に以下のような建材・建物は要注意:

  • 2006年以前に施工された建物
  • 和室の壁(じゅらく塗など)
  • 古いプラスター仕上げ
  • 厚みのある塗り壁

まとめ

プラスターボード(石膏ボード)だけでなく、左官材料の「プラスター塗」周辺にもアスベスト含有のリスクがあることが分かりました。

特に:

  • 仕上塗材(リシン、スタッコ、じゅらく塗など)
  • 下地調整塗材
  • モルタル混和材(テーリングなど)

これらにはアスベストが含まれていた事実があります。

「プラスターボードは調べたけど、塗り壁は大丈夫でしょ」

そう思っていた方、要注意ですよ!!

解体・改修工事の際は、ボード材だけでなく、塗り壁材についてもしっかり調査が必要です。

もし不安なことがあれば、私たち四318LABOにお気軽にご相談ください。
現場調査から分析まで、しっかりサポートいたします。

それでは本日も全国に向けて

したっけねーーーーーーーーーーー