2026/03/08
残業してるときは、隣のセーコーマートで弁当を買うのが日課です。
どうも皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さりげなく地元に愛されるコンビニの宣伝してますが、いつかスポンサーになってほしいなどと思ってませんよ。
さて今回のテーマですが
住宅解体時によくある話です。
「うちはそんな古くないから大丈夫だよ」
「アスベストって、もう昔の話でしょ?」
「調査って、なんでそんなお金がかかるの?」
解体の現場に携わっていると、こういう言葉、何度聞いたことかわかりませんよね。
施主さん、不動産会社の担当者、アスベストに詳しくない元請業者…みんな、わかってくれない。
でも逆の立場で考えると、そうなんです。
知らない人に「知らない世界の話」を理解してもらうのは、本当に難しい。
今回は、そんな「伝えること」に悩んでいる解体業者の方に向けて、アスベストの必要性をわかってもらうための”伝え方のポイント”をまとめてみました。
まず大前提として:施主も「法律の当事者」であることを知っている人は少ない
多くの施主さんや不動産業者さんが勘違いしているのは、「アスベスト調査・届出は業者の仕事」という認識です。
確かに、事前調査の実施義務は元請業者にあります。
でも実は、発注者(施主)にも法律上の責任があります。
大気汚染防止法では、届出対象工事が未届けとなった場合は、届出義務者である発注者(施主)が罰則の対象となります。
これ、意外と知られていないんです。
「私は依頼しただけ」では済まないのが今の法律。
だから「業者に任せてるから関係ない」という発言が出たら、まずここから説明することが大事です。
「施主さんにも責任が及ぶ場合があるので、一緒に確認しましょう」という入口で話を始めると、相手の耳が開きます。
「うちにアスベストはない」という思い込みを崩す3つのポイント
施主さんのいちばんの誤解がここです。
特に「比較的新しい家」「普通の一軒家」と思っている方ほど、この思い込みが強い。
ポイント①:「2006年9月以前に着工した建物は要注意」と伝える
アスベストの使用自体は2006年に原則禁止されましたが、問題は終わっていません。禁止以前に建てられた数多くの建物が解体時期を迎える今が、新たに危険な局面と言えます。
現在解体される建物の多くが昭和40〜60年代(1965〜1985年ごろ)に建てられたもの。
この年代は特にアスベストが多用された時期です。
「1985年築ですよね。その時代の建物は、含まれている可能性が高い年代なんですよ」と、建物の年代から入ると説得力が増します。
ポイント②:「見た目ではわからない」を丁寧に説明する
「アスベスト?見たことないよ」という施主さんに多いのが、「吹き付けアスベストのような綿状のもの」しか思い浮かばないケースです。
でも実際にはレベル3のアスベストは、普通の屋根材(スレート)・床タイル(Pタイル)・外壁材・天井ボードなど、見た目ではまったく判断できない建材に含まれています。
「見た目は普通の屋根材でも、分析してみたらアスベストが入っていた、というケースはとても多いんですよ」──これが、目視でわかると思っている方への有効な一言です。
ポイント③:「調査しないと、アスベストがあっても工事を進められない」と伝える
法律上、有資格者による事前調査なしに工事を進めることは認められていません。調査を怠れば工事停止や罰則に直結し、企業の信用低下にもつながるため、正しい知識と実務対応が不可欠です。
「調査をしてからでないと、工事を適法に進められません」と伝えることで、「余計な出費」ではなく「工事を進めるための必須手順」として理解してもらいやすくなります。
元請業者・不動産会社への説明で押さえるべきポイント
施主さんへの説明とは少し違い、業者への説明では「法的リスク」と「自社を守るための書類管理」の視点で話すと効果的です。
元請業者の役割と責任を整理して伝える
解体・改修工事の元請業者が、アスベスト事前調査の実施義務を負います。
調査結果の発注者(建物所有者等)への説明責任があり、一定規模以上の工事の場合、調査結果を都道府県知事に報告する義務があります。
元請業者がやらなければならないことは大きく3つです。
ひとつ目は、有資格者による事前調査の実施。建築物なら「建築物石綿含有建材調査者」、2026年1月からは工作物に「工作物石綿事前調査者」の資格が必要です。
ふたつ目は、調査結果の発注者(施主)への書面説明。
口頭だけではなく書面で説明する義務があります。
この書面は3年間保存が必要です。
みっつ目は、電子システムへの報告。
解体工事で床面積80㎡以上、改修工事で請負金額100万円以上のときは、調査結果を労働基準監督署と都道府県に電子報告することが義務付けられています。
報告は原則、インターネット上の石綿事前調査結果報告システムから行います。
なお、この際にGビズIDが必要になります。
このGビズID(政府が運営する法人認証サービス)の取得と、電子システムへの入力作業が、特に慣れていない元請業者には大きな負担になっているのが現状です。
「システムへの入力も、書面の書き方も、アドバイスできます」というサポートの提案が、信頼につながります。
これ私の得意分野(笑)
不動産会社には「売買・転売リスク」の観点から話す
不動産業者の方にとって刺さるのは、「売れなくなるリスク」「後からトラブルになるリスク」です。
アスベスト含有建物を売買する際、買主や仲介業者への説明義務(宅地建物取引業法上の重要事項説明)も関係してきます。
解体前にアスベスト調査を行い、その結果を書類として残しておくことは、取引上のリスク回避にもなるという説明が効果的です。
費用について聞かれたら、レベル別に整理して話す
「いくらかかるの?」という質問は必ず来ます。
ここが曖昧だと、「高い!やりたくない」か「なんとかならないか」という方向に話が進んでしまいます。
明確に、レベル別で整理して伝えましょう。
アスベストは飛散のしやすさ(発じん性)によって3段階に分類されています。
レベル1(吹き付けアスベスト・最も危険)
天井や梁に綿状に吹き付けられたもの。
作業場所の完全隔離・負圧管理・高度な防護が必要です。
除去費用は1㎡あたり約15,000円から85,000円程度が相場で、廃棄物は「特別管理産業廃棄物」に区分され、通常より処理費用が高額になります。
レベル2(保温材・断熱材・耐火被覆材)
配管の保温材や柱の耐火被覆材などに使われたもの。
隔離措置が必要で、1㎡あたり1万円〜6万円が相場です。
以前とある石油会社のプラントで、配管保温材の除去作業を行いましたが、100人体制でやってもめっちゃ大変な現場でした。
職長の皆さんには本当に頑張っていただきました。
それについてはまた後日お話ししますね。
レベル3(スレート屋根・床タイル・外壁材など)
一般住宅で最も多く見られる種類。固く成形されているため飛散リスクは低めですが、解体時の湿式作業など飛散防止措置は必要です。費用目安は1㎡あたり約3,000円です。
よくネット上では処分費含むとか書いてますが、各市町村の処理場の単価にもよるので、お客さんから「それは平米や坪単価いくら」って聞かれても、処分費別ですよって伝えてます。
一般的な30坪の木造住宅の場合、レベル3であれば除去費用は約30万円ほどで済みますが、レベル1・2の場合は100万円単位での費用増加が見込まれます。
もちろん養生や使用機材や除去方法により変わりますが、全国的な平均単価ですね。
そして重要なのが、「調査しないと、レベルがわからないので見積もりが出せない」という事実です。
「とりあえず安く解体したい」という要望に対して、「レベルが判明しないと正確な金額がお伝えできません」という返答は、決して言い訳ではなく事実です。
これをきちんと説明することで、調査の必要性が腑に落ちてもらいやすくなります。
伝えるときに使える”一言フレーズ”まとめ
最後に、現場で使えるフレーズを整理しておきます。
「うちには関係ない」と言われたとき:
「2006年以前に建てられた建物は、外見ではわかりませんが含まれている可能性があります。調査して確認しましょう」
「なんで業者でもない私が関係するの?」と言われたとき:
「届出対象の工事では、発注者の方も法律上の責任が生じる場合があります。一緒に確認しておきましょう」
「お金がかかるからやりたくない」と言われたとき:
「調査なしに工事を進めると、後から工事停止や追加費用が発生するリスクがあります。最初にきちんとやっておくほうが結果的に安くなります」
「もう古いから全部アスベストとして処理してくれれば?」と言われたとき:
「みなし含有での対応も可能ですが、それでも書類の作成・報告・保存の義務は残ります。
一緒に進めましょう」
アスベストのことを伝えるのは、本当に大変です。
「余計なことを言ってくる業者だ」と思われるのが怖くて、言えない方もいると思います。
でも、きちんと伝えることが、現場の安全を守り、施主を守り、そして自分たちを守ることにもつながります。
「伝えるのが仕事の一部」と割り切って、丁寧に、根気よく向き合ってみてください。
それが、誠実な解体業者としての信頼に、必ずつながっていきます。
誰もが同じ事が説明できるか難しいですが、困ったときには野崎重機建設興業 四318
までご連絡ください。
それでは、したっけねー!
【参考法令・情報源】
・大気汚染防止法(環境省)
・石綿障害予防規則(厚生労働省)
・厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」(https://www.ishiwata.mhlw.go.jp)
・石綿事前調査結果報告システム(https://www.ishiwata-houkoku.mhlw.go.jp)
※本記事の法令情報は2026年3月時点のものです。最新の情報は必ず厚生労働省・環境省の公式サイトでご確認ください。
どうも皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さりげなく地元に愛されるコンビニの宣伝してますが、いつかスポンサーになってほしいなどと思ってませんよ。
さて今回のテーマですが
住宅解体時によくある話です。
「うちはそんな古くないから大丈夫だよ」
「アスベストって、もう昔の話でしょ?」
「調査って、なんでそんなお金がかかるの?」
解体の現場に携わっていると、こういう言葉、何度聞いたことかわかりませんよね。
施主さん、不動産会社の担当者、アスベストに詳しくない元請業者…みんな、わかってくれない。
でも逆の立場で考えると、そうなんです。
知らない人に「知らない世界の話」を理解してもらうのは、本当に難しい。
今回は、そんな「伝えること」に悩んでいる解体業者の方に向けて、アスベストの必要性をわかってもらうための”伝え方のポイント”をまとめてみました。
まず大前提として:施主も「法律の当事者」であることを知っている人は少ない
多くの施主さんや不動産業者さんが勘違いしているのは、「アスベスト調査・届出は業者の仕事」という認識です。
確かに、事前調査の実施義務は元請業者にあります。
でも実は、発注者(施主)にも法律上の責任があります。
大気汚染防止法では、届出対象工事が未届けとなった場合は、届出義務者である発注者(施主)が罰則の対象となります。
これ、意外と知られていないんです。
「私は依頼しただけ」では済まないのが今の法律。
だから「業者に任せてるから関係ない」という発言が出たら、まずここから説明することが大事です。
「施主さんにも責任が及ぶ場合があるので、一緒に確認しましょう」という入口で話を始めると、相手の耳が開きます。
「うちにアスベストはない」という思い込みを崩す3つのポイント
施主さんのいちばんの誤解がここです。
特に「比較的新しい家」「普通の一軒家」と思っている方ほど、この思い込みが強い。
ポイント①:「2006年9月以前に着工した建物は要注意」と伝える
アスベストの使用自体は2006年に原則禁止されましたが、問題は終わっていません。禁止以前に建てられた数多くの建物が解体時期を迎える今が、新たに危険な局面と言えます。
現在解体される建物の多くが昭和40〜60年代(1965〜1985年ごろ)に建てられたもの。
この年代は特にアスベストが多用された時期です。
「1985年築ですよね。その時代の建物は、含まれている可能性が高い年代なんですよ」と、建物の年代から入ると説得力が増します。
ポイント②:「見た目ではわからない」を丁寧に説明する
「アスベスト?見たことないよ」という施主さんに多いのが、「吹き付けアスベストのような綿状のもの」しか思い浮かばないケースです。
でも実際にはレベル3のアスベストは、普通の屋根材(スレート)・床タイル(Pタイル)・外壁材・天井ボードなど、見た目ではまったく判断できない建材に含まれています。
「見た目は普通の屋根材でも、分析してみたらアスベストが入っていた、というケースはとても多いんですよ」──これが、目視でわかると思っている方への有効な一言です。
ポイント③:「調査しないと、アスベストがあっても工事を進められない」と伝える
法律上、有資格者による事前調査なしに工事を進めることは認められていません。調査を怠れば工事停止や罰則に直結し、企業の信用低下にもつながるため、正しい知識と実務対応が不可欠です。
「調査をしてからでないと、工事を適法に進められません」と伝えることで、「余計な出費」ではなく「工事を進めるための必須手順」として理解してもらいやすくなります。
元請業者・不動産会社への説明で押さえるべきポイント
施主さんへの説明とは少し違い、業者への説明では「法的リスク」と「自社を守るための書類管理」の視点で話すと効果的です。
元請業者の役割と責任を整理して伝える
解体・改修工事の元請業者が、アスベスト事前調査の実施義務を負います。
調査結果の発注者(建物所有者等)への説明責任があり、一定規模以上の工事の場合、調査結果を都道府県知事に報告する義務があります。
元請業者がやらなければならないことは大きく3つです。
ひとつ目は、有資格者による事前調査の実施。建築物なら「建築物石綿含有建材調査者」、2026年1月からは工作物に「工作物石綿事前調査者」の資格が必要です。
ふたつ目は、調査結果の発注者(施主)への書面説明。
口頭だけではなく書面で説明する義務があります。
この書面は3年間保存が必要です。
みっつ目は、電子システムへの報告。
解体工事で床面積80㎡以上、改修工事で請負金額100万円以上のときは、調査結果を労働基準監督署と都道府県に電子報告することが義務付けられています。
報告は原則、インターネット上の石綿事前調査結果報告システムから行います。
なお、この際にGビズIDが必要になります。
このGビズID(政府が運営する法人認証サービス)の取得と、電子システムへの入力作業が、特に慣れていない元請業者には大きな負担になっているのが現状です。
「システムへの入力も、書面の書き方も、アドバイスできます」というサポートの提案が、信頼につながります。
これ私の得意分野(笑)
不動産会社には「売買・転売リスク」の観点から話す
不動産業者の方にとって刺さるのは、「売れなくなるリスク」「後からトラブルになるリスク」です。
アスベスト含有建物を売買する際、買主や仲介業者への説明義務(宅地建物取引業法上の重要事項説明)も関係してきます。
解体前にアスベスト調査を行い、その結果を書類として残しておくことは、取引上のリスク回避にもなるという説明が効果的です。
費用について聞かれたら、レベル別に整理して話す
「いくらかかるの?」という質問は必ず来ます。
ここが曖昧だと、「高い!やりたくない」か「なんとかならないか」という方向に話が進んでしまいます。
明確に、レベル別で整理して伝えましょう。
アスベストは飛散のしやすさ(発じん性)によって3段階に分類されています。
レベル1(吹き付けアスベスト・最も危険)
天井や梁に綿状に吹き付けられたもの。
作業場所の完全隔離・負圧管理・高度な防護が必要です。
除去費用は1㎡あたり約15,000円から85,000円程度が相場で、廃棄物は「特別管理産業廃棄物」に区分され、通常より処理費用が高額になります。
レベル2(保温材・断熱材・耐火被覆材)
配管の保温材や柱の耐火被覆材などに使われたもの。
隔離措置が必要で、1㎡あたり1万円〜6万円が相場です。
以前とある石油会社のプラントで、配管保温材の除去作業を行いましたが、100人体制でやってもめっちゃ大変な現場でした。
職長の皆さんには本当に頑張っていただきました。
それについてはまた後日お話ししますね。
レベル3(スレート屋根・床タイル・外壁材など)
一般住宅で最も多く見られる種類。固く成形されているため飛散リスクは低めですが、解体時の湿式作業など飛散防止措置は必要です。費用目安は1㎡あたり約3,000円です。
よくネット上では処分費含むとか書いてますが、各市町村の処理場の単価にもよるので、お客さんから「それは平米や坪単価いくら」って聞かれても、処分費別ですよって伝えてます。
一般的な30坪の木造住宅の場合、レベル3であれば除去費用は約30万円ほどで済みますが、レベル1・2の場合は100万円単位での費用増加が見込まれます。
もちろん養生や使用機材や除去方法により変わりますが、全国的な平均単価ですね。
そして重要なのが、「調査しないと、レベルがわからないので見積もりが出せない」という事実です。
「とりあえず安く解体したい」という要望に対して、「レベルが判明しないと正確な金額がお伝えできません」という返答は、決して言い訳ではなく事実です。
これをきちんと説明することで、調査の必要性が腑に落ちてもらいやすくなります。
伝えるときに使える”一言フレーズ”まとめ
最後に、現場で使えるフレーズを整理しておきます。
「うちには関係ない」と言われたとき:
「2006年以前に建てられた建物は、外見ではわかりませんが含まれている可能性があります。調査して確認しましょう」
「なんで業者でもない私が関係するの?」と言われたとき:
「届出対象の工事では、発注者の方も法律上の責任が生じる場合があります。一緒に確認しておきましょう」
「お金がかかるからやりたくない」と言われたとき:
「調査なしに工事を進めると、後から工事停止や追加費用が発生するリスクがあります。最初にきちんとやっておくほうが結果的に安くなります」
「もう古いから全部アスベストとして処理してくれれば?」と言われたとき:
「みなし含有での対応も可能ですが、それでも書類の作成・報告・保存の義務は残ります。
一緒に進めましょう」
アスベストのことを伝えるのは、本当に大変です。
「余計なことを言ってくる業者だ」と思われるのが怖くて、言えない方もいると思います。
でも、きちんと伝えることが、現場の安全を守り、施主を守り、そして自分たちを守ることにもつながります。
「伝えるのが仕事の一部」と割り切って、丁寧に、根気よく向き合ってみてください。
それが、誠実な解体業者としての信頼に、必ずつながっていきます。
誰もが同じ事が説明できるか難しいですが、困ったときには野崎重機建設興業 四318
までご連絡ください。
それでは、したっけねー!
【参考法令・情報源】
・大気汚染防止法(環境省)
・石綿障害予防規則(厚生労働省)
・厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」(https://www.ishiwata.mhlw.go.jp)
・石綿事前調査結果報告システム(https://www.ishiwata-houkoku.mhlw.go.jp)
※本記事の法令情報は2026年3月時点のものです。最新の情報は必ず厚生労働省・環境省の公式サイトでご確認ください。


